遺産相続は、特に遺産分割にあたっては、不動産や預金等、高額な財産を分割するという性質上、トラブルがつきものです。
以下、実際に起こっているトラブルの例について挙げていきます。
■長男が遺産を独占しようとする
明治31年7月16日から昭和22年5月2日までの間に施行されていた旧民法下では、被相続人である戸主が死亡した場合、その一切の遺産を長男が一人で相続するという、家督相続と呼ばれる制度が採られていました。現在の民法下ではこの制度は廃止され、遺言がない場合には法定相続分にしたがい、長男以外の配偶者や子供も、相続順位に応じて遺産を承継することができます。しかし、未だに旧民法時代の考え方で、遺産は長男が全て相続するものである、ともっともらしく主張され、話し合いの段階で押し切られてしまう場合があります。
■他の相続人が極めて偏った内容の遺言書を提示してくる
生前の被相続人の態度や健康状態からは考えられないような、極めて偏った内容の遺言書が出てきたときは、その遺言書は他の相続人の脅迫によって作られたものであったり、他の相続人が偽造したものである可能性があります。このような場合には、当該遺言書が無効になるだけでなく、当該行為を行った相続人は、相続欠格にあたるとして相続権を失います。この場合、その子供が代襲相続を主張してくるなど、事態が複雑になることがあります。
■相続の段階で、相続人の一人によって遺産が使い込まれてしまっている
このように相続に関してトラブルが起こった時は、相続人の間での話し合いでは解決が難しい場合も多いことから、早めに弁護士等の専門家に相談し、法的解決を図るなどの対策を考えることが重要です。
遺産相続のトラブル
植平法律事務所が提供する基礎知識
-
遺留分の基礎知識
■遺留分とは 遺留分とは、被相続人の財産のなかで、法律上その取得が一定の相続人に留保されていて、被相続...
-
交通事故発生から解決までの流れ
交通事故が発生した場合、まずは警察へ通報することから始まります。 警察への通報後、警察は物損事故か人...
-
後遺障害が認定されない・等級に納得いかない場合
後遺障害等級認定とは、交通事故の被害者が負った後遺症が、その交通事故が原因であると医学的に証明され、認...
-
遷延性意識障害(植物状態)とは
■遷延性意識障害とは 遷延性意識障害(せんえいせいいしきしょうがい)とは、被害者が植物状態となってしま...
-
窃盗事件
窃盗罪は刑法235条に規定があり、客体については強盗罪などとは異なり、財物のみを対象としています。刑...
-
妻の浮気が原因で離婚したい場合の知っておきたい注意点
愛していた人に裏切られ、非常につらい思いをされた方が、離婚という選択肢を考えられるのは当然と言えます。...
-
物損事故
物損事故とは、物が壊れたが、人の怪我が発生しなかった事故をいいます。 物損事故の場合は、加害者に対す...
-
刑事事件を弁護士に依頼するメリット
刑事事件を弁護士に依頼すると聞くと、裁判においての弁護を想定するかもしれませんが、必ずしも裁判に限ら...
-
離婚と子供
数ある離婚問題の中で、特に深刻化しやすいものに共通している性質は「当事者のお二人にとってどうしても譲れ...