相続財産である預金が、相続人のうちの一人によって引き出され、使い込まれてしまう、という事案が多くみられます。特に、被相続人が亡くなる間際には、同居する親族に預金等の財産の管理を任せていることも多いことから、このような使い込みは、被相続人と同居する親族の一人によって行われることがよくあります。また、被相続人が生前認知症や高齢等の理由により、財産管理を他の親族に任せていた場合にも、使い込みが疑われることがあります。
当該相続人が使い込みの事実を認めず、遺産分割協議や調停による解決が難しい場合には、民事訴訟による解決を図ることが考えられます。
このような場合、他の相続人は使い込みを行った相続人に対し、不当利得返還請求または不法行為に基づく損害賠償請求という形で当該財産の返還請求を行うことができます。当該相続人が被相続人の葬儀代や死後の世話等のために費消した部分については使い込みにはあたらないため、それ以外の用途で費消した部分について返還を請求することができます。このとき、他の相続人は、使い込まれた金額のうち自身の法定相続分に相当する金額につき、請求することになります。
なお、民法上不当利得返還請求権は10年、不法行為に基づく返還請求権は3年の時効期間の経過をもって消滅するため、注意が必要です。
使い込み
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