養育費とは、衣食住や教育費、医療費といった子どもの生活にかかる費用を指します。
民法の規定により、離婚後に未成年の子を引き取った場合には、相手方に養育費を請求することが可能です。
しかし、相手との連絡がつかない、そもそも離婚時に養育費を払うことに合意していない、といったさまざまな理由で未払いの状態になることも少なくありません。
こちらでは、未払いの養育費を請求する際の流れをご紹介いたします。
⑴相手方への連絡
まずは、相手方へ養育費の支払いを催促するために、連絡を取ります。
連絡の手段はメールや電話、手紙などどのようなものでも構いません。
連絡を取っても相手方に反応がない場合、内容証明郵便で請求書を送付するのも有効な手段となります。
⑵家庭裁判所における調停・審判
支払いの催促に応じず、離婚時に養育費の取決めをしていない場合には、家庭裁判所で調停を申し立てます。
この調停手続きで合意を得られれば、調停調書を作成し、その内容に基づいた支払を求めることになります。
なお、相手方と合意を得られなければ、審判手続きに進んで裁定を下し、審判調書を作成することで、支払いを求めます。
⑶家庭裁判所の履行命令・履行勧告
離婚時に家庭裁判所で養育費の取り決めをした場合や、⑵の手続きを経ても養育費の支払いがなされない場合には、家庭裁判所の履行命令や履行勧告といった制度を利用します。
履行命令とは、相手方に家庭裁判所が直接、履行を勧告・督促してもらう制度です。
この制度は、支払いの強制力はありませんが、裁判所から直接督促を受けることで一定の効果を見込めるものです。
履行勧告とは、一定の時期までに支払いをするよう命令をする制度です。
この制度は履行命令と異なり、正当な理由がなく支払いをしない場合、相手方は10万円以下の過料に処せられることになります。
⑷強制執行
⑶までの方法で支払いに応じず、調停調書や審判調書、離婚時に作成した執行受諾文言を付した公正証書といった債務名義が存在する場合には、地方裁判所に強制執行の申立てを行います。
強制執行とは、相手方の預貯金や給与といった資産を差押さえ、強制的に支払いをしてもらう制度です。
この強制執行を行う際には相手方の財産を特定する必要があり、制度の利用には高いハードルが存在していました。
しかし、民事執行法の改正により、裁判所の「第三者からの情報取得手続」といった制度を利用することで、裁判所を通じて金融機関や市区町村といった関係機関から情報を収集することが可能となりました。
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未払いの養育費を請求する方法
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