遺産分割は、相続人が複数いる場合に、相続人間で相続財産をどのように分けるかを決める手続きです。遺産分割の具体的な方法としては、相続人間の協議によることが原則ですが、被相続人の遺言による指示があれば、それが優先されます(指定分割)。また、相続人間で協議が調わないときは、相続人が家庭裁判所に請求を行えば、調停や審判による分割を図ることができます。
それぞれの方法について、分割の態様として、現物分割、代償分割、換価分割があります。
・現物分割
現物分割とは、共有状態にある相続財産につき、個々の財産の取得者を確定する分割で、最も原則的でシンプルな形態です。
・代償分割
代償分割とは、特定の相続人が他の相続人に相続財産以外の資産を交付する分割です。相続財産が家や土地などの不動産に偏っているとき、相続人の一人がその家や土地を利用し続けたい場合などに用いられます。代償分割をすることが決まっても、代償金の額についてもめてしまう可能性があるというリスクがあります。
・換価分割
相続財産の全部または一部を換金してその代金を相続人間で配分する分割です。不動産等を現金に換えて分けることにより、分割が容易になります。
これらの態様については、相続財産の種類に応じて組み合わせることもできます。したがって、遺産分割の方法は、きわめて多様であるといえます。
遺産分割
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