後遺障害等級認定とは、交通事故の被害者が負った後遺症が、その交通事故が原因であると医学的に証明され、認定基準を満たしている場合に、「後遺障害等級」が認定されることを指します。
等級は1~14級まで設けられており、1級に近いほど症状が重いと判断され、その認定は加害者側の任意保険会社や自賠責保険会社が行うことになります。
認定までの期間は通常1~2カ月程度ですが、高次脳機能障害のような外見から判断が困難なものや、複数の後遺障害がある場合には半年程度を要する場合もあります。
この交通事故による後遺障害が認定されることにより、被害者は加害者側に慰謝料などを請求できるのです。
しかし、通院が不十分、医学的裏付けの不足などといった理由で、後遺障害の等級に納得がいかない、もしくはそもそも認定されないケースも少なくありません。
こちらでは、後遺障害が認定されない・等級に納得いかない場合に、被害者側が取りうる3つの手段についてご紹介いたします。
⑴異議申し立て
まず、認定の結果に納得がいかない場合には、自賠責保険会社に異議申し立てを行うことができます。
この際には、以前になされた認定の結果を覆すような新たな証拠を用意し、異議申し立ての趣旨・理由を記載した異議申立書を自賠責保険会社に提出することで、再度審査がなされることになります。
ただし、等級変更がなされる確率は非常に低く、客観的な資料など入念な準備が必要となりますが、結果に納得がいかない場合には再度異議申し立てをすることが可能です。
⑵紛争処理制度の利用
保険会社への異議申し立ての結果に納得がいかない場合、自賠責保険・共済紛争処理機構の紛争処理制度を利用できます。
こちらの制度は、第三者の立場である弁護士や医師、紛争処理委員が、被害者と保険会社間の争いを解決するというものです。
なお、異議申し立てと同様に等級変更がなされる確率は低く、その結果が不服であっても、一度しかこの制度は利用できないため注意が必要です。
⑶訴訟の提起
他の手段を用いても等級変更が認められない場合には、訴訟を提起して、適切な等級に基づく賠償金を求めることになります。
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後遺障害が認定されない・等級に納得いかない場合
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